キャンパスニュース

2019.09.26 建築

国内建築研修旅行 東北方面

 
7月23日(火)~24日(水)に、国内建築研修旅行を実施しました。
 
国内の有名建築家が設計した建物の見学を通して、実際の空間を体験し、今後の学習活動の一助とすることを目的としています。建築・インテリアを学ぶ上で、実際にその場所に訪れ、写真や雑誌で見るだけではわからない「場の空気」を体感することはとても大切なことです。今回は、東北方面の公共施設建築をメインに見学を行いました。
 
王子を出発し、最初の見学先は福島県の白石市にある白石市立図書館です。建築は大きな勾配屋根を用いて全体を覆う構成とし、足元はオープンになっていてました。また前面道路から引きを取ることで生まれる図書館南側の前庭は、市民に開放された公園(遊歩道)としても利用されています。見学前に会議室で館長から建設に至るまでの様々な経緯の説明を受け、市民に愛される公共施設になるための計画について考えさせられました。
 
 
郡山市立美術館は、建物の内部と外部の交流が図れるように建物の配置がL型となっています。その内側をガラス面として外部の自然に向け、光と影の変化ある表情を空間の随所に感じさせられます。学生からは「屋外の石の広場にランダムに配置された石畳がとても力強く感じました」と感想を述べていました。
 

学芸員の方から展示ロビーで説明を受けました。美術館としての平面計画はシンプルですが、展示ロビーの構成は自然と建築と美術という三つの出会いの場となって、建築家 柳澤孝彦氏の表現したかった空間構成を身体で感じることができました。

初日最後に訪れたのは宮畑遺跡史跡公園体験学習施設です。エントランス屋根の木造架構は、縄文式土器を逆さにした六角錐がモチーフの木造立体トラス架構です。六角錐の幾何学的な構成は下から見上げると、照明のあて方によりとても幻想的に見えました。学生からは「意匠だけでなく構造としての機能としても考えられていて凄いと思いました」という感想がありました。

二日目最初に訪れた施設は、伊東豊雄氏設計の「せんだいメディアテーク」です。多くの学生が最も行ってみたかったという施設です。図書館以外の様々なイベントにおける展開にも対応可能な建築を目指し、構造的に「プレート」・「チューブ」・「スキン」という三つのエレメントを用いることでそれを可能にしています。施設の方に建物概要をスタジオシアターで説明していただいてからの見学となりました。

建物全体が13本の鉄骨独立シャフト(チューブ:主に鋼管トラス構造)によって構成され、フレキシブルな構造体であると同時に垂直動線や各種エネルギー(光・空気・水・音など.)や情報などのフロースペースともなっています。学生からは「建物の構造や設備を実際に見ることができ貴重な体験でした」という感想を述べていました。

最後に訪れた施設は、須賀川市民交流センター「tette」です。最近完成した新しい施設で、子供から大人まで様々な年代の方が楽しめるように工夫されていました。情報発信基地としての機能を備えて市民の憩いの場を提供しています。学生は施設入り口にあった「tette」のモニュメントと記念写真を撮っていました。

構造計画として、メガストラクチャー梁により、建物の床面やスロープを吊り下げて構築していました。また、吹き抜け部分の大スパンの架構や下階のホールの利便性を考慮し、柱位置に制約されない空間形成を可能にしています。学生からは「特殊な構造により空間を立体的に使う設計に感動しました」と感想を述べていました。

 
国内建築研修旅行では、他科の学生との交流をはかれることも特徴の一つです。
同じ目的で参加をしている同士、気が付くとあっという間に打ち解け、新しい交流の輪が広がっていきます。
今回の研修では、各施設のご協力のもと、施設内で建物概要や、施設を維持管理していく管理者の目線から学生たちに説明してくださりとても貴重な経験となりました。お忙しい中、ご協力いただきました施設関係者の皆様、本当にありがとうございました。
また来年も、国内建築研修旅行を実施する予定です。
学生の皆さんの参加を心よりお待ちしています!!
 
[見学施設 / 設計者]
白河市立図書館 / 第一工房
郡山市立美術館 / 柳沢孝彦+TAK建築・都市計画研究所
宮畑遺跡史跡公園体験学習施設 / 古市徹雄都市建築研究所
せんだいメディアテーク / 伊東豊雄建築設計事務所
須賀川市民交流センター /石本建築事務所+畝森泰行建築設計事務所