「忘れてはいけないこと」

新年明けましておめでとうございます。
旧年中は格別のご厚誼を賜り感謝いたします。

「人々が心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」。
令和という年号の由来として記憶しています。
発令された当初と異なり、今ではすっかり親しまれているように思います。
その令和2年、新型コロナウイルスによって私たちをとりまく環境は一変してしまいました。
卒業式・入学式の順延や中止に始まり、誰もいない教室からの配信授業。
人通りの途絶えた繁華街。
毎夕に発表される感染者の数におびえる日々。
「まん延防止対策重点措置(通称:まん防)」や「三密を避ける」。
東京に発令された4度目の非常事態宣言の最中、無観客で行われた東京オリンピック。
これらの出来事は、昨日と同じ明日が来ることを疑わなかった我々に、平穏な日常がいかに幸せであるかを教えてくれました。
令和7年が明け、日本はインバウンド事情もあり、多くの人々で賑わっています。
我々の待ち望んだ毎日が戻ってきたことは喜ばしい限りです。
しかし、コロナ禍を経験した我々大人の責任は、あの時に感じたありふれた日常の尊さを、けして「忘れてはいけないこと」として、後世に伝えていくことだと思います。
明日を信じ、夢を持ち続けられる社会が続くことを、次代の子供たちのために願います。
ITやAIがどんなに進歩しても、人と人とのかかわりを大切にし、自らの知恵と力で歩んでいける、そんな若者を中央工学校は応援します。
創立115年目を迎えた中央工学校、皆様の変わらぬご支援とご鞭撻をよろしくお願い致します。