創立80周年記念として建設された18号館(歴史館)には顕彰の間と資料展示室があります。
創立以来の110年を超える資料など、中央工学校の足跡が展示されています。
写真は大正7年(1918)に創設された女子製図科の授業風景です。
夜間教育が主体であった中央工学校に、初めて設立された昼間学科です。
設置目的を示す当時の文章に、「これからの時代の女性は、家庭の人として安食せず、ともに起って工業に従事しなければ、国家の安泰・繁栄は期しがたい。
一朝有事の場合は男子に代わり得るよう、日頃からその心掛け・修練が必要である」と記されています。
「男女席を同じうせず」という当時の世相を反映し、男女が別に学ぶ設置科とされました。
第一期生は9名。小学校教員の初任給が12円~20円だった当時、女子製図科の卒業生は24円を超える方もいたそうです。
入学生は数年で50名を超え、戦時色の濃くなる昭和10年代には250名へと増加していきました。
その歴史は、女子住宅科・建築設計科女子部・女子建築設計科(平成元年募集停止)へと、科名を変えながらも70年間を超えて、引き継がれていきました。
現在は男女共学の中央工学校ですが、女子職業教育に力を注いだ中央工学校の歴史を感じます。
歴史館(資料展示室)を訪れた際はぜひご覧ください。

