「一本の線のもつ意味」

写真は2号館4階における施工実習の様子です。
左官・タイル張りの実習を行っています。
彼らは左官屋さんやタイル屋さんになるのでは(多分)ありません。
もちろんこれらの実習によって大いに興味をもち、将来そのような進路へ進む若者が育つこともこの実習の目的です。
しかし、私が考えるこの実習の意義は、やや異なります。
現在目覚ましい進歩を遂げているCAD・CGそしてBIM。
さらにはAIそしてGPT。
美しい表現が瞬時に可能です。
しかし、その進化のスピードに追いつけず、今自分が描いている一本の線にどのような意味があるのか、それを理解できない技術者が増えてしまうことを私は危惧します。
機能性だけが先に走り、物事の本質を理解しない技術者に不安を覚えます。
身体を動かし手を使って作りあげる。
その作業を通してしか知り得ない、感じ得ない事。
つまりは、厚み・重さ・肌ざわり(冷たさ・暖かさなど)を知る。
そのうえで先端技術を使いこなす技術者であって欲しいと私は考えます。
中央工学校の考える実務教育の原点、育成する技術者の姿がこの実習に現れています。
生き生きと実習に取り組む学生の表情から、それが彼らに理解されていることを感じます。皆さんはどのようにお考えになるでしょうか?