「小さな握手」

校長に就任する前のことですが、21号館(STEP)の前で毎朝学生に挨拶をしていました。

個人的通称は「ひとりあいさつ運動」(笑)。
朝8時30分から9時15分まで一人で「おはようございます」をやっていました。
ある時、近隣の幼稚園に入園したばかりの娘さんを通わせるお母様が近寄ってきて、「握手して下さい・・・」。
唖然とする私に恥ずかしそうに手を差し出したのは、お母さんではなく、なんと娘さんでした(苦笑)。
それから毎日雨の日も風の日も「ひとりあいさつ運動」は続きますが、その娘さんとは卒園するまで欠かさず握手をしていました。
一瞥もくれずに私の前を通り過ぎる学生も多く、気が滅入ることもありましたが、その「小さな握手」が私をささえてくれました。
卒園式の日に手紙をもってお二人でお別れに来てくれました。
今でもその手紙は大切にしています。
あれから随分時が流れましたが、そろそろ高校生かな?
どんな娘さんに成長されたのでしょうか、いつかお会いしたいものです。
多分もう握手はしてくれないでしょうね(笑)。