中央工学校で教えていること(私が教わったことを含み)は「建物をつくる技術」。
しかし最近それだけでよいのだろうか?と思うようになりました。
写真をご覧ください。
東京都中央区銀座のど真ん中、数寄屋橋交差点で行われている解体工事の現場です。
かつてこの場所にあった建築家 芦原義信氏による「ソニービル」の地下を解体しています。
日本におけるモダニズム建築の代表作となるビルでした。
2017年に営業を終了、地上8階部分を解体し「ソニーパーク」として親しまれてきましたが、新ビルの建設計画に伴い地下の解体が進んでいます。
地下5階ある床をすべて打ち抜き、地下外壁だけが残っているように見えます。
地下壁を残して新しいビルに利用するのではないでしょうか?
解体工事を請け負う建設会社の卓越した技術力を感じます。
日本の建設業界は高層建築物の解体という難問に直面しています。
新宿の高層ビル群を思い描いてください。
例えば東京都庁舎をどのように解体するか想像できますか?建設時には解体方法までは計画されていなかったのではないでしょうか。
しかしこの「ソニービル」のようにいつか解体する日が来るはず。
現に高度成長期に建設された高層建築の解体が近年始まっています。
私も現役時代にはたくさんの建物を解体してきました。
建設教育の中に「建物解体工法」をとりいれる時がくるように思います。