中央工学校

今から30年ほど前の私が授業を受け持っていた頃のこと。

当時の建築設計科は男子のみ。
ひとクラスの学生が100名を超えているため、出席をとるのも時間がかかり、その間はどうしてもざわついてしまいます。
ある朝出席をとっていると、どうも弱々しい返答がありました。
もう一度学生名を呼んだところ、今度は返答がありません。
(そうか・・・、こいつは代返だな・・・)、「ハイ、欠席ね」。
しばらく点呼を続けていると、またしても弱々しく自信なさそうな返答がありました。
そこでもう一度確認するとやはり返答がありません。
(こいつも代返だな・・・、俺をなめるなよ・・・)、「ハイ、欠席ね」。
これを3人ほど続けたところ、騒がしかったクラスが徐々に静まり返りました。
(どうしてわかるのだろう・・・)という学生の視線を感じながら何事もなかったように授業開始。
またある日別のクラスで同じようなことがありました。
耳を澄ませて代返を見極めます。一度でも失敗すればこの緊張感はなくなります。よってミスは許されません。
それからは出席をとるのが面白くなり、学生との勝負?を楽しんでいました（苦笑）。
学生のほうでも結構面白がっていたのではないでしょうか。
今でも代返なんてあるのかな？

  （校長ブログ：NO187）