7月3日の豪雨により発生した大規模な土石流によって
静岡県熱海市での被害の様子が報道されています。
大量の土砂に覆われた現場は捜索が難航し、今もって多くの不明者がいるようで心が痛みます。
私は建設会社に在職中、災害復旧工事を経験しました。
群馬県のある山中を通る国道が大雨により流され、巻き込まれた車による死亡事故が発生しました。
我社の土木工事部から応援依頼があり、東京にいる建築担当の私も急遽派遣されることになりました。
現場に出向くと断崖を通る国道は片側車線が完全に崩壊、並行して走るJRの線路まであと約10メートルという状況でした。
はるか下の谷底には転落した乗用車が1台、それをレッカー車で引き上げるところから復旧作業が始まりました。
夜を徹した土木作業が1週間ほど続き、ほっと一息というところでまたしても大雨。
積み上げた土砂がすべて流れ去り、工法を変更して工事再開。
2週間後ようやく道路が復旧し、湯気のたつアスファルト舗装の上を歩いたことを思い出します。
開通の日の早朝、私は一足先に帰京しましたが、その夜のNHKニュースでは、開通を喜び合う同僚の姿が映し出されていました。
大雨による被害を知るたびにあの山中での復旧作業を思い出します。この度の豪雨災害にあわれた方々に、心からお見舞い申し上げます。