校舎は生きた教材中央工学校の考える“実務教育”とは

2号館1階 Facility Studio 建築設備実習室

42年連続就職率100%※1の秘密を公開! 中央工学校が誇る圧巻の実習室

以下の写真は工場の一角でもなければ、建設途中のビルでもありません。中央工学校が誇るれっきとした建築設備実習室(通称:Facility Studio)の完成形です。それまでに存在していた旧・建築設備実習室の「見て」「触れて」「感じて」「理解する」というコンセプトを引き継ぐ形で、2019年3月に完成しました。

※1 2020年(令和2年)3月現在での建築設備設計科の就職実績

既に大手ゼネコンが新人研修の場として活用するなど、外部からの問い合わせもたくさんいただいており、中央工学校の校舎が業界からも注目されていることが窺えます。

Facility Studioは「ビル用衛生設備ゾーン」「防災設備ゾーン」「模擬天井ゾーン」「ビル用空気調和設備ゾーン」「集合住宅設備ゾーン」という5つのゾーンで構成されており、実物の建築設備を使用できる状態で設置しています。学生たちはこの教室で実際に稼働している設備を触りながら、教科書だけではイメージしにくい部分を確かめつつ、経験値を高めていきます。

5つのゾーンをそれぞれ見ていきましょう。

ビル用衛生設備ゾーン

トイレで水を流すと、最後はどこへ辿り着くかご存じですか? 本来は床下や天井裏に隠れて見えない配管類をあえて外に配置したFacility Studioならば、どこまで続いているかを実際に目で追いかけながら確かめることができます。

このゾーンはオフィスビルの衛生空間を再現しており、給排水衛生設備の施工状態が表と裏の両面から確かめられるように設計されています。

防災設備ゾーン

皆さんは「スプリンクラー」という消火設備をご存じですか? では、スプリンクラーが実際に放水するときの水圧・水量がどの程度かはご存じでしょうか。是非、中央工学校の体験入学に参加していただいて、その威力を体感なさってみて下さい。きっと驚かれるはずです。

スプリンクラーを取り付けている業者の方でも、取り付け後の動作試験を許してもらえるケースはまずありません。そんなことをしたら室内がずぶ濡れになってしまいます! つまり、消火設備の散水試験というのはそれだけ貴重な経験だということです。2号館1階のFacility Studio(建築設備実習室)にある防災設備ゾーンならば、存分にスプリンクラーや屋内消火栓の放水実験が行えます。

※注・動画の中で警報音が鳴り響きます。音量にご注意の上、周囲にご配慮ください。

このゾーンでは、消火栓や煙感知器、防火ダンパや防火シャッターなどの防災設備を「設置」しています。「展示」ではないところがポイントです。ここは美術館やショールームではなく、実務教育を学ぶ『実習室』なので、いずれも使用可能な状態で設置しており、全てが実際の動作を確認できるように作られているからです。

模擬天井ゾーン

普段は見ることのない天井裏をあえて露出させることにより、空調配管や電気配線がどのように収まっているかを見ることが出来ます。本来なら天井内部に格納されてしまう天井埋込ダクト型空調機までもが、ここでは丸見え!

また、室内空間を考える上で重要な要素となる天井高も異なる3つの高さ(2.1m、2.3m、2.5m)を再現しており、天井からの吊り方や設備の設置方法などを実際に目で見て学ぶことができます。

実際には隠れてしまう床下や天井裏等を見続けていくことにより、設計図面を二次元だけでなく三次元でイメージできるようになっていきます。これが、他校とは一味違う中央工学校の図面教育の秘訣なのです。

また、照明設備や防火設備を実際に取り付けた状態のままで切断しており、その断面を見て内部構造の理解も深められるように工夫しています。  中央工学校で学ぶのは「知識」だけにとどまらない「技術」です。つまり、「知っている」だけでは不十分で、その知識を活かして「設計する」「組み立てる」「取り付ける」「修理する」といったことができなければなりません。その実力を養うために、このFacility Studioが必要なのです。

ビル用空気調和設備ゾーン

このゾーンでは空調方式の分類の一つ「中央熱源方式」の中の「定風量単一ダクト方式」を再現しています。同一フロア内にある「空調機械室」に収められたエアハンドリングユニット(AHU)から送られてきた風が天井のダクトを通って、吹き出し口から放出するまでを実際に目で追いながら確認することができます。

上の写真をご覧ください。エアコンの吹き出し口の形状がひとつひとつ違っていることがお分かりいただけるでしょうか。吹き出し口の形状による風速や風量の違いを体感し、室温に与える影響を測定する実習が可能な構造になっています。また、中央監視システムの計測値と実測結果を比較し、設定の変更による風量や水量の変化までもが確認できます。

このゾーンにある空調機械室には、空調の心臓部にあたる「エアハンドリングユニット(AHU)」が格納されています。このエアハンドリングユニットは内部が見えるように作られており、実際の現場で活躍している卒業生が見学に訪れた際に、「へぇ!中はこうなってたんだ〜!!」と驚いた特注品です。

集合住宅設備ゾーン

このゾーンは、言うなれば「集合住宅のカットモデル」です。実際の住宅を真っ二つに切ったような構造をしており、二重床内の配管の収まりや、PS(パイプスペース)などの設備配管の様子が手に取るようにわかるようになっています。

他にも、メーターボックス、給湯器、増圧ポンプユニット、床暖房システムなどの内部構造までもが直接目で見て学ぶことができ、もはや「さわれる教科書」とでも呼ぶべき実習環境になっています。

実際の授業での活用事例については、以下のキャンパスニュースをご覧ください。

実は、この実習室で行った最初の授業は中央工学校の学生を対象としたものではなく、なんと大手ゼネコンの新人研修でした。詳しくはこちらのキャンパスニュースをご覧ください。
大手ゼネコンをはじめ、現在建設現場で活躍している卒業生の方々や企業の方からの見学希望が後を絶たないことが、このFacility Studioのポテンシャルの高さを裏付けています。

主に使用する学科:建築学科、建築工学科、建築設備設計科
ここで行われる授業:専攻概論、建築設備実験実習(以上、建築学科、建築工学科)、設備設計製図、設備施工図、建築環境測定、建築意匠(以上、建築設備設計科)など。