春休みの特別企画として『輝く未来の女性 -建設業界で活躍する女性たち-』と題し、建設現場で働いている女性や女子在校生の言葉を通じて建設業界をもっと知ってもらうイベントを開催しました。
中央工学校でも日々たくさんの女性たちが学んでおり、ここを巣立ってそれぞれの道へと進んでいきます。それは社会への女性進出が叫ばれだした最近の話などではなく、大正7(1918)年に女子製図科が誕生して以来、今でも当たり前の光景として受け継がれています。
1月に建築室内設計科の女子学生をインタビューしましたので、そちらの記事もご紹介しておきます。
それなのに、どうして未だに建築土木の現場には男性社会のイメージがつきまとうのでしょうか。それは建設業界の断片的な一部しか伝わっていないからなのかもしれません。
今回、実際に建設現場で活躍している女性の代表として、常陽建設株式会社代表取締役社長・飯田竹世様(平成4年土木建設科卒業)に特別講演を行なっていただきました。『輝く女性の未来』というテーマで話し始めた飯田社長のご講演ですが、序盤こそ過去に女性が置かれていた立場のご説明があったものの、最後は「輝く未来」の方をメインとして締め括られており、その時点で既に男女の別について言及していらっしゃいませんでした。きっと本質的な部分は、男性や女性といった区別に関係しないからなのでしょう。
たとえば、バリアフリーの概念は「ハンデのある人に優しい」にとどまらず、「あらゆる立場の人みんなが使いやすい」ことを目標にしています。それと同様に「働き方改革」も女性の参入を促すことが目的なのではなく、誰にとっても働き易い環境に変えていくことにより障壁そのものをなくしていくことが最終目標であり、その結果として女性「も」働きやすくなる、というのが本質なのだと思います。そのことを飯田社長は「(男女を問わず、まず)自分を大切にすることが大事」ということばに置き換え、交差した両手を胸に当てながら表現なさっていらっしゃいました。
「工事現場だけが建設の全てではない」という、建設業界で働く人たちにとっては当たり前の事実をもっと多くの方に知っていただくため、中央工学校は今後も発信を続けてまいります。