複合施設CLace

【長谷川さんの作品】

代官山にギャラリーとワークスのある複合施設を提案。デザイナー・顧客・街それぞれの繋がりを生み出す施設。 デザイナー達にとってここを活動拠点とした最大に収穫とは様々な人とのインフォーマルな出会いであり、仕事の幅が広がることにある。 そんな複合施設のケーススタディとして設計した。

デザインコンセプトは空/うつ・白/しろ・構造/こうぞうの三つ。

空/うつは、 何かの意味を限定的に担う空間よりも、人々が生み出す多様なイメージの全てを引き受け、受容する大きな空/うつな場を提案するという意味であり、いわゆるフレキシ ブルな普遍的空間を形成することが目的ではなく、いわば確固たる内容を備えた器を生み出そうと試みた。

白/しろは、 時に空白を意味する。空っぽの器には何も入っていないが、これを無価値と見ず、何かが入る予兆として見立てる創造が多様なコミュニケーションを生み出す力を与える。

構造/こうぞうは、 一般的な意味での建築のエンジュニアリングとしての構造ではなく、モノとモノ、モノと人との関係性によって成り立つ構造によって空間は成立すると考える。その場にあるモノ、その場にいる人が空間を形成し建築を変えていく。改変が繰り返されるたびに新しい構造が生まれていく。

単に様々なアイテムを並べるための場所ではなく、定期的にエキシビジョンを行うなど、思想そのものを提示できる空間を設計。ギャラリーやワークスの機能上完全な物理的区画を必要をしない空間については、壁列を変化させるなど示唆的な区画方法を用いて、異なるアクティビティー間に新しい関係が生まれるような構成にした。

複数のレイヤーが重なり合い、彼らの多彩な商品群がより空間的な厚みと奥行きを持って広がることを考えている。多義的輪郭を持った「部分」は、使い方によって他の全体と重なり合い、新たな「全体」として見えてくる。

壁は重力を支えるためのものではなく、移動可能な空間の間仕切りである。それは空間に変化をもたらし、決定づける。

このアトリウムには1日のうちに様々な性格の光が浸透し、屈折し、陰影を建物の壁面、床面に落とし合う。季節や天候や時刻によって多様な表情を持つ空間を設計。

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