9月に行った造園施工実習で造り上げた三五荘の茶房前アプローチ階段。
その後、研修所を管理する職員の手でさらに美しくなりました。
実習内で土を締め固めて造った階段には敷石が据えられ、左右にコケが貼られたことで、より周囲に溶け込んだ姿となりました。
この茶房のアプローチについて経緯や工夫を少々お話しますと、、、
実習以前は土が踏み固められて出来た、傾斜のある急な階段でした。
雨が降るとグレーチングに向かって雨水が流れるため、滑りやすく、靴が汚れてしまいます。
研修所の方から、それらが改善できるような歩きやすい階段を作ってほしい、とお話頂いた事から始まりました。
施工は9月に行う8泊9日間の造園施工実習にて、学生4人と先生4人で施工しました。
朝8時半から夜20時ごろまで作業する日もあり、正直、めっちゃ大変でした。笑 今ではとても良い思い出です。
景観に合わせて、もっとシンプルな造りにする事もできましたが、造園デザイン科の実習の一環で施工したため、様々な作業に取組めるよう、鉄平石の乱張り、大磯砂利の洗い出し、敷石、ゴロタ石を入れた洗い出しなど、段毎に変化を持たせています。
洗い出し舗装も、一般的なコンクリート洗い出し舗装ではなく、大磯砂利、松煙、セメントを使った昔からある造り方で施工しました。
そして鉄平石には2か所、リスと船の絵が彫られています。
リスは研修所内でよく見かけられることから、船は三五荘の以前の所有者である原田六郎氏が造船会社を経営していたことから、学生が絵柄を選択しました。
船の絵は多くの積荷、財宝が入ってくるようにという意味を込めて、三五荘に向かって入船の向きにしています。
飛石、縁石、敷石は造園デザイン科にて校内の実習授業で使っていたもの。
廃科と共に石材は行き場を失くしてしまいます。
せっかくなので今回の実習で使用する事になりました。
何代もの学生が技術練習のために使用していた石材を、研修所で活かされ、形として残る事が嬉しいです。
様々な思いが込められて出来上がった茶房の階段です。
研修所に遊びにいらした際は、ぜひ歩いてみてください!