中央工学校のクラブ活動を広めるために、「○○に聞いてみたシリーズ」を初めてみることとする。不定期な更新となるかもしれないが、このシリーズで中央工学校のクラブ活動を少しでもご紹介できればと…ひそやかながら幕開けをする。
クラブ顧問に聞いたみたシリーズとは?
中央工学校で活動を続けているクラブ活動を、顧問や部員たちにインタビューをして紹介するシリーズ。顧問や部員の様子を少しでも多くの情報(画像・文章)でつかんでもらいたい。実体をつかむことすらできない活動も中にはあるかもしれないが、顧問の感情や筆者の感じたパッション(熱量)をできる限り伝えようと思う。
建築倶楽部 【創部:2001年 (平成13年)】
顧 問: 渡邊 友尚 先生
インタビュアー: 別府 勝 先生
構 成: クラブ・同好会委員会 飯田
Q.建築倶楽部について教えてください
顧問:渡邊先生 「建築を楽しもう ⇒ 指の先まで建築に」をコンセプトに…
「建築を楽しもう ⇒ 指の先まで建築に」をコンセプトに建物見学会やコンペティション、古民家再生、建築模型などを手掛けています。私自身が前進の模型同好会(建築部門)をしていた影響で近年は模型制作活動が多いです。過去には建築家安藤忠雄氏や隈研吾氏などビックネームの建築家とコラボして大きな木製展示模型も制作してきました。
週2回の活動で現在15名の部員登録があります。今回の江戸城軸組模型の話を受けたとき幽霊部員などを除いた模型精鋭部隊は4名・・ぶっちゃけ大丈夫かな・・と思いながらも活動が地味に始まりました。
Q.なぜ今回江戸城をおつくりになられたのですか?
顧問:渡邊先生 私は、木造建築が大好き…
私は、木造建築が大好きで、伝統建築や木造建築を主に研究をしています。特に木軸の美しさ「構造美」に魅力を感じ、木造建築科の授業の中でも指導してきました。その中で、SNSでお城作家の長谷川進さん(元気で良く喋る爺様)の方との出会いがありました。NPO江戸城天守を再建する会を紹介され何度も打ち合わせをしました。正式に制作依頼を受けて書類を取り交わし、予算が付いてから建築倶楽部で制作をすることとなったのです。
Q.どのような制作の流れで、期間はどれぐらいだったのですか?
顧問:渡邊先生 まず、お城の研究を始めることから…
まず、お城の研究を始めることから始まりました。伝統建築が専門ですから、もともとお城は好きでプラモデルを制作したりとそれなりに知識はありました。しかし、江戸城については現存していないので分からないところだらけでした。そこで、広島大学の三浦正幸名誉教授の研究資料を読み解くところから始まりました。それから様々な文献やCGを集め今回の軸組図面を作成していきました。
研究が終わり、学生達には、模型作家(愛称:長谷川爺)の作品を観るために南千住の自宅に押し掛けたり、お城EXPO(パシフィコ横浜開催)に参加したりしました。そして昨年の1月から制作をスタートさせました。
実際の模型制作は約1年かかりました。ざっくりですが石垣と土台に4ヶ月、上層階に3ヶ月と下層階に3ヶ月、細部の造り込みに2ヶ月を要しています。図面の段階からですと足掛け2年です。CADで図面を描き模型と同じ縮尺1/50で出力しました。紙に直接あてて、平面図で柱の配置と間隔、断面図では柱の長さと屋根の勾配などを求めることができました。そして、並べたものを積み上げると自然と立体になっていったのです。
Q.制作の苦労話をおしえてください
顧問:渡邊先生 石垣は苦労しました…
石垣は苦労しました。図面を基に書き出し切り取り貼り付けの工程でしたが根気のいる作業で時間がかかりました。また、お城の垂木は1階から天守閣の5階まで同じ作業が続くので飽き易い事…思いのほか時間を要しましたね。柱の垂直や梁の位置が上下階で合わなかったりして… ほぼ現場合わせの連続でした。
Q.逆に楽しかったエピソードを教えてください
顧問:渡邊先生 単調な作業が続きますのでみんなで日常の…
単調な作業が続きますのでみんなで日常の無駄話をしながら進めていました。ここでは話せない話も多いですが・・笑。各担当の仕事で棟梁や土建屋、塗装屋などと呼び合い建築談義をしながら楽しく活動していました。部員たちは模型活動を通して交流が深まり、学科を超えて仲良くなっていったように思います。
Q.最後に…
顧問:渡邊先生 これから建築家隈研吾氏の模型にとりかかる予定…
これから建築家隈研吾氏の模型にとりかかる予定です。模型制作に興味がある学生は是非建築倶楽部はどうですか?何もないところから形態を生み出すプロセスを教えます。
そして、やるからには何か目標をもって楽しくやりましょう。指の先まで建築に!
なんちゃって… by劇団 なべっぷ
建築倶楽部の方々、記事作成にあたりご協力ありがとうございました。
この記事は、「よみもの」として作成しているわけですが…構成している側も長いな~と思っています。
ここまでの長い記事を最後まで読んでいただいてありがとうございました。
さて…次回はどのクラブをご紹介できるのか…