
3つの仕事を両立する現在の働き方
私は現在、三つの仕事を並行して行っています。歌手、管理栄養士、カフェスタッフの三つです。中でも一番長く携わっているのが歌手で、ワタナベエンターテインメントの所属歌手として今年で24年目となりました。5年前に自身ががんを患ったことをきっかけに管理栄養士の資格を取得し、在宅分野の管理栄養士として、以降も地域栄養活動に従事しています。3年前には、この管理栄養士としての経験を基に、介護相談もできるカフェ「サニーデイズカフェ」にて、スパイスカレーを提供しながら医療・介護の相談を受けています。このように三つの仕事をしているにもかかわらず、まだ時間に余裕があるというのが、私のありがたい現状です。それは、すべてをフリーランスとして行っているからなのですが、お金にも時間にも余裕のある今のうちに、もう一つくらい資格を取っておこうと考えたのが、中央工学校に入学したきっかけでした。

建築士を目指した理由
私の趣味は「勉強」です。こう言ってもなかなか信じてもらえないのですが本当です。勉強の面白いところは、その知識を得た瞬間から、世界の解像度が上がるところです。食のプロフェッショナルである管理栄養士の知識を得た瞬間、大体の料理の調理工程が想像できるようになり、おおまかな原価や栄養成分まで分かるようになりました。同時に、ホテルのビュッフェのほとんどが冷凍食品で作れることが理解できてしまいました。それはさておき、解像度の向上はすでに建築でも起こり始めています。
先日歌手の仕事で訪れた愛媛県伊予市には景観重要建造物という形で歴史ある木造建築がそのままの形で残されています。仕事の合間になんとなくその地域に寄ってみると、その頃ちょうど建築史の授業で習ったばかりの「うだつ」や「千鳥破風」をそれらの建築の中に見つけることができました。その他にも、普段街中を歩いていても「ああ、これはゴシック建築っぽくしたいんだな」とか、「このカラオケ店の柱はイオニア式なんだな」と、これまでとは違った視点で街を見ることができるようになりました。これが勉強の面白いところです。
資格取得だけを目的とした勉強は時に、勉強をつまらないものにしてしまうことがあります。国家試験で1問しか出題されない分野の授業の中にも、これまで人類が発見してきた宝物がぎっしりと詰まっています。視野を狭めることなく、これからも楽しんで勉強ができればと思っています。