キャンパスニュース

2021.09.17 建築

すべり勾配[木造建築科1年]

日本では昔から木材を加工して家を建ててきました。 建築技術は木材加工を中心に進化し、そして職人たちによって伝承されてきました。 その中に「継手」という木材を繋ぐ技術があります。材料を加工し長くつなげるときに使う継手です。
授業での継手加工は技術を向上する為、のこぎりやノミを使用しすべて手作業で作り上げます。

作成しているのは、鎌継ぎと呼ばれる継手です。
深さは材料の半幅(105/2=52.5)に掘ります。
鎌継の加工には繊維方向、繊維に対し直角方向、繊維に対し斜め方向など、あらゆる技術が組み込まれています。

すべり勾配は仕口や継手を円滑に納めるために、組み始めの部分を緩くし、組み終わりの部分をきつくするような傾斜をつけて細工します。すべり勾配の加工は繊維に対し直角部分と斜め部分を併せ持ち、のみの切れ味や木材の含水率により大きく左右されます。

先生が学生の前で作業を見せ、切り落とし、鎌をつなげると・・・。

びったびたです!

含水率(がんすいりつ):木材に含まれる水分の割合を示したもの。
びったびた:寸分違わぬ繊細な技術。