今回は、後期に行う公共施設設計課題に向けての建物見学として、上野公園にある美術館や博物館の見学へ行ってきました。
まず訪れたのは、国立西洋美術館。1959年にフランス人建築家ル・コルビュジエの設計により竣工した歴史的建造物です。
2016年には国立西洋美術館を含む「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献 ―」が世界文化遺産に登録されました。
何やら小窓を覗く学生たち…
1995年の阪神・淡路大震災を機に、国立西洋美術館では耐震対策の見直しが行われました。
従来の耐震化工法ではル・コルビュジエの意匠を継承することが難しかったため、外観を損なわずに耐震化できる「免震レトロフィット」を採用し、建物を動かさずに建物地下を掘削して鋼製杭で一時的に建物を仮受けしたのちに免震装置を取り付ける工法で、米国以外に前例がなく、日本初の試みだったそうです。
そのことを事前の講義で耳にしていた学生たち。国立西洋美術館の地下へ降りると免震装置を見ることができるのですが、学生たちは直接装置を目にすることで、なんとなくその理解ができたようでした。
次に向かったのは、同じ上野公園内にある東京国立博物館。
ここは1872年に創設された日本最古の博物館で、現存する本館は1938年に建築家の渡辺仁によって設計されました。
他にも表慶館、東洋館、平成館、法隆寺宝物館、黒田記念館があり、6つの展示館で構成されています。
その中の法隆寺宝物館は1999年に建築家の谷口吉生によって設計された建物で、学生たちは1年次の設計製図で模型を作成しました。
2年前の1年次は新型コロナウィルスが拡大し始めた頃だったので、実際の建物を見学することができませんでしたが、今回は2年越しに見学が叶い、学生たちは改めて建物の凄さを感じていたようでした。